お墓の引っ越し

人間が最後にたどり着く安息の地である「墓地」。
葬儀を終え、お墓に納骨までを済ませれば、そこからまた動くことはなく安らかに眠ると考えたいものですが、実際には生きている人間の都合により動かざるをえないこともあります。
代表的なところでは、子供夫婦や親戚が皆遠いところに暮らしているため、供養や墓の管理が難しくなったという場合でしょうか。
一族がその土地で生まれ育ち死んでいく時代であれば問題なかったのですが、一生のうちでもあちこち移動するのが普通になった現代では、子孫の生活の場と先祖のお墓が遠くはなれてしまうということも珍しくは無くなりました。
そうした場合にどうするかですが、一つの解決法として考えられるのが、お墓を引っ越すという方法です。
正確には「改葬」と呼びますが、先祖のお墓をより近いところに移設すれば、お墓参りも管理もぐっと楽になります。
幸い、日本の埋葬形式は、火葬した後のお骨を収めた骨壷を地下の空間に安置するという形式なので、いざお墓を移動しようという場合にもそれほど大変ではありません。
これが棺ごと土葬する文化だったら大事です。

改葬手順

とは言え日本のお墓も、遺族が勝手に開いて勝手に引越しして良いというものでは有りません。
日本のお墓は埋葬の時に役所に届出をして、法律上、全ての故人はどこのお墓に眠っているかが把握されています。
ですので、改装する場合にも手続き上行方不明にならないように、改葬手続きを行う必要が有ります。
法律上、改葬には次のような手順が必要になります。
1:墓に関係のある親戚と、お墓を管理している寺などの住職に同意を得る
2:墓が有る地域の役所にて改葬許可申請書をもらう。
3:申請書に死亡者の本籍、住所など必要事項を記入する。
4:申請書に墓地管理者から確認印をもらう
5:必要事項と管理者印が揃った申請書を、墓地地元役所に提出し、「改葬許可証」をもらう。
6:改葬許可証を墓地管理者に確認してもらい、遺骨を取り出す。
7:新しい墓地管理者に改葬許可証を提示し、埋納する。
※:この他、新しい墓地での「受け入れ証明書」を旧墓地地域役場が必要とする場合もあるようですので、確認しておきましょう。
という手順を経て、改葬が行われることとなります。
これら手続きがスムーズに行われるための注意点としては、なにより親戚や墓地管理者に事前同意を得ておくことが重要です。
いざ改葬をする段になって「そんなことは聞いていない」と始まると、非常に大変ですので、新しい墓地選定も含めて、なるべく早くから行動をはじめるべきでしょう。