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旅立ちのために持たせるもの

火葬をする前には亡骸を棺桶の中に入れることになりますが、このときには一緒に亡くなった人に天国に一緒に持って行ってもらいたい品物などを入れることもできます。
仏葬の場合には人は亡くなったあとには三途の川の前にゆき、そこで渡し賃を支払って反対側の岸に連れて行ってもらうということになっています。
渡し賃はかつては六文銭といって昔の金銭の単位で換算されていましたが、今現在では穴の空いたお金を使って代用することとなっています。
宗派によっては本物の貨幣は使わずお金に模した模型や紙などを入れることもあります。
一般的には白い布で作った袋の中に5円もしくは50円を6枚入れることでこの代わりをします。
場合によっては六文銭に足してあの世に行った時にお小遣いとして何枚か多めに入れてもよいことになっています。
しかし本来硬貨は完全に灰にならずに燃え残りとなってしまうので、お骨と一緒に燃やすのは好ましいことではないとされています。
硬貨は儀式的なものであるので少々のことはよいのですが、あの世への旅立ちのために持たせるものとしてはこのように一緒に燃やすことで燃え残りになるものは入れてはいけないこととされます。

お棺にいれてはいけないもの

具体的には、金属を含む機械類といったいわゆる「燃えないごみ」として分別の対象になってしまうようなものです。
よくありがちなのが、結婚指輪や大切にしていたアクセサリーといったものはいくら故人にとっての思い出の品であっても一緒にお棺にいれてはいけないこととなっています。
ほかにもプラスティック製品やペットボトル、液体類は入れてはいけません。
どうしても一緒に埋葬をしたいということであれば、一緒にお棺に入れて火葬をするのではなく、白骨の状態になったあとで骨壷に入れるといった方法をとります。
また故人へのメッセージや人形など燃えるものは入れてもよいものの、あまりにも分量が多すぎるのも問題です。
辞書や百科事典のような大きな書物も燃えにくくなってしまうので、冊子の場合はせいぜい2cm程度の厚さのものにとどめておくようにしましょう。

他にも燃えるということでは問題はないのですが、故人が家族と一緒に写っている写真などは縁起という面で少々避けておいた方がよい品物となります。
故人があちらの世界に行ったときに眺めるためという意味なのでしょうが、考え方によっては一緒に連れ立って行くというふうにも捉えられるからです。
もちろん一緒に写っている人が十分に納得してのことであればよいのですが、そこに写っている人には念のため了解をとっておいたほうがよいでしょう。

日本の高度な火葬技術

日本の一般的な埋葬方法では、お墓に入れる前に火葬をして遺体を白骨の状態にします。
親しい身内が亡くなった場合には、葬儀のあと火葬場に遺体を運びこみ、そこで独自の火葬用の炉の中に遺体を入れて熱を加えていきます。
数時間をかけて遺体は燃やされたあとには、きれいな真っ白な骨となります。
私達は普段このような白骨になった遺体を見慣れているせいか、ややもすると当たり前のことのように思えるかもしれませんが、実はこの遺体を白骨にするためには最新鋭の高度な技術が使用されているのです。

海外の火葬との違い

海外でも一部の地域では火葬を行う習慣があります。
ですが、海外の火葬場で燃やされた遺体をみてみると、日本のようにきちんと白骨の状態になっているということはほとんどなく、燃え残りが一部にあったり、反対に燃えすぎて骨どころか灰の状態になってしまっていたりします。
実は人の体は遺体となったあとに体に残る筋肉量や水分量によって燃え方に違いがあり、誰にも同じような火力を加えて同じような白骨になるということはまずありません。
そのためほとんどの施設では燃え残りを出さないようにと必要以上の熱を加えるので、全く固形とならない灰の状態にまでなってしまうというわけです。

また、日本の火葬場では火葬が終わったあと骨壷にお骨を納める骨拾いの儀式を行うこととなっていますが、このとき頭蓋骨はもちろん、骨盤や喉仏がどれであるかがはっきりわかるような状態になっていることもよくあります。
これも実は相当に火葬を担当される方の技術力がなければできないことです。
もっとも骨拾いをして骨壷にきれいにお骨をおさめたとしても、お墓に入れるときには最終的に形を崩して小さくしてから納めることになるので、もし白骨が灰となっても特に問題はないのですが、それでも遺族にとっては亡くなった身内の骨が真っ白な綺麗な骨となったかどうかは心情的に大きなものと言えるでしょう。

都心など人が多く火葬される施設などでは1体1体に時間をかけて白骨を取り出すということも難しいので、ともするとキレイな形の骸骨では取り出すことはできないこともあります。
ですが長年そこに勤務している専属の火葬担当者さんがいる施設や、1体1体にまで細かい目配りができる地方の火葬場などでは、まるで骨だけをキレイにとりのぞいたかのような美しく真っ白な形で骨を取り出すことができたりします。
一見あたりまえのようなこの火葬技術にも、感謝をしておきたいところですね。

現代日本の火葬

現代日本において、遺体を葬る方法は基本的に火葬のみとなっています。
近代まで行われてきた土葬・埋葬は衛生上の問題から許可されていませんし、風葬や鳥葬、水葬といった諸外国では有りうる葬送も、日本では不許可です。
そして、火葬といってもその辺で焚き火を焚いてというのも当然ダメです。
そもそも人間一人を骨の破片にまでする火力というのは、専用の設備がなければそう簡単に出せるものではありません。
そうしてお世話になるのが火葬場というわけです。

火葬の流れ

火葬は大体の場合、通夜・告別式を終えた後、葬儀場から霊柩車にて出棺されて最寄りの火葬場に移動、そこで火葬をすることになります。
火葬場に着いてからの流れを概説すると、まず火葬をする上での大前提として「火葬許可証」が必要不可欠です。
火葬許可証は役所にて火葬許可申請書を記入提出することで発行してもらえます。
しかし、前提として死亡届が出されていることが必要ですので、大体は死亡届と同時に提出・取得することになるでしょう。
このあたりの手続きを葬儀業者に代行してもらっている場合、葬儀業者が管理することになりますのでそれほど心配は要りません。
もし遺族自身で諸手続きを行なっている場合、最重要書類の一つですので、しっかり保管して火葬場に持っていく必要があります。

火葬場にて火葬許可証を提出すると火葬をしてもらうことができます。
なお、この火葬にあたっては当然費用が必要ですが、市などが運営している公営火葬場の場合、市民なら1万~数万円で火葬してもらうことが可能です。
大体は、火葬をする前の本当のお別れのタイミングとして「納めの式」が行われます。
仏式なのか神道なのか、キリスト教なのかである程度細かいところは変わってきますが、こうしたタイミングで最後の式が行われるのは共通しています。
それが終わると棺が火葬炉に納められ、いよいよ火葬が始まります。

火葬にかかる時間は個人差があるのですが、だいたい40分~1時間ぐらいの範囲で完了します。
その間、親族や僧侶、遺族は控え室にて待機しています。
喪主はこの時も親族や僧侶へのもてなしをするのが通例ですが、近年は簡素になる傾向があります。
火葬が終了すると、「骨上げ」を行います。
骨上げは、2人1組で箸を使って、ひとつの骨片を拾い上げて骨壷に収めては、次のペアに交代していくという形式を取ります。
順番は個人に近い血縁者から遠い血筋や関係へと進みます。
拾う順番などは地方によって異なったりするので、わからなければ僧侶か火葬場の人に聞くのが無難です。

(参考サイト)
葬儀の流れ:火葬